4月20日、「コスタ行橋」駐車場において、当クラブの呼びかけにより市民の皆様へ献血のお願いを申し上げました。受付人数70名中、62名の方に400ml献血をしていただくことができました。ご協力まことにありがとうございました。
翌21日の当クラブ例会では、福岡県赤十字血液センター北九州事業所の杉原大輔さんに献血のことについてお話をお聞きしました。
献血について重要なポイントは4つ。
・人工的に作ることができない。 ・長期保管ができない。(余剰を貯めておくことができないので常に継続的な協力が必要) ・1日約3000人の方が輸血を必要としている。 ・輸血の 80%以上が 病気の治療に使用される。(がん治療のためが最多で約40%)
輸血の印象といえば、事故などの外傷のイメージがありますが、ほとんどは、病気の治療に使用されています。3000人の患者さんを助けるために、全国では毎日約13000人、福岡県内では毎日約600名の献血してくださる方が必要です。
1年前の1月16日に 日本で初めての新型コロナウイルスが確認されて以来、日本の血液事業は2月中旬以降より苦しい戦いを強いられていきます。感染対策のため、バス配車予定だったイベントの中止や、企業の外部業者進入禁止などによる献血の受入キャンセルが続出していきました。
それでも各血液センターは必要な血液量を確保する使命がありますので、代替の献血会場の捜索に努めました。しかしながら急遽直前にお願いするケースが多く、各会場あたりの献血人数は減少の一途をたどりました。
この状況の中、3月、水泳選手の池江璃花子選手がSNS上で献血協力を呼びかけたことが大きな反響を呼びました。池江選手は、2019年の2月に白血病を患い、ご自身も輸血を受けた経験から、輸血用血液の不足という事態を救う為に、声を上げていただきました。
この呼び掛けもあり、3月中旬前後は献血協力者が一気に増加しました。このとき一時的に献血状況は回復したのですが、献血後は間隔を空ける必要もあり、25日以降一転して再び厳しい状況が続きます。さらに4月には福岡県を含む7県に緊急事態宣言が発令されました。
これを受け、拍車をかけるように献血バスのキャンセルが殺到しました。15日には、緊急事態宣言は全国に拡大。北九州の献血バスも4月は半分以上が代替会場で献血を行う事態となりました。
そういった状況のなか、赤十字は外出自粛中でも献血は不要不急に当らないとして、献血の広報活動に努めました。報道の効果もあり、ゴールデンウィーク中は、ショッピングセンターでの献血を中心に、多くの方に献血ご協力をいただくことができました。
これにより何とか、緊急事態宣言中の血液不足を招くことなく、乗り越えることができ、5月25日には緊急事態宣言が全国で解除されました。ここから少しずつ、企業や学校の献血協力は得られるようになってきましたが、一度中止となった企業等に再度受容れしていただくことは容易でなく、厳しい状況が続いています。
今後の課題ですが、企業は在宅ワークの推進などの働き方改革がすすむことが予想され、学校献血についても、遠隔授業の導入や、生徒が集まるような行事の自粛などが考えられ、献血の実施が難しい場合も発生すると思われます。お祭りやイベントの献血についても、軒並み中止となっており、代替となる献血をショッピングセンターなどにお願いしている状況です。
献血車では、検温・手指消毒・フェイスシールド・飛沫防止ビニールの設置などの対策がしっかりとられていますので、安心して献血が受けられます。このような厳しい状況にこそ、さらなる皆様の尊いご協力をお願い申し上げます。