ロータリークラブは、近隣地域で「グループ」に所属し、そのグループがまとまって「地区」に所属しています。当クラブは「国際ロータリー第2700地区」の「第1グループ」所属です。2700地区は福岡県全体と、長崎県壱岐対馬・佐賀県鳥栖と三養基郡が対象エリア。7グループ61のクラブで構成されています。地区にも多くの委員会があり、当クラブからも地区委員を輩出しています。本日の例会では、「地区職業奉仕委員会」委員の、当クラブ所属工藤茂美ロータリアンの卓話がありました。

工藤委員からは、ロータリーの「職業奉仕」の概念が紹介されました。
1905年頃のシカゴの町は著しい社会経済の発展の陰で職業道徳の欠如が目につき、青年弁護士のポールハリスは友人3人と安心して付き合える仲間を得るために、ロータリークラブを作りました。親睦と会員同士の事業の発展を目的とした「互恵取引」のエゴイズムでロータリーは旅立ったのです。このような企業経営は一時的に多くの利益をもたらしましたが、閉鎖的な物質互恵主義は世間からも、またロータリー内部からも批判の声が起こってきました。
そのような中、アーサー.F.シェルドン、続いてベンジャミン.フランクリン.コリンズがクラブに入会して「職業奉仕」の概念を提唱。ロータリークラブの標語(モットー)が採択され、それは第 1 標語「Service above Self=超我の奉仕」第 2 標語「He profits most who serves best=もっともよく奉仕するもの、最も多く報いられる」として、現在まで受け継がれています。
今までの利己的な経営手法ではなく、顧客満足を第一に掲げ、自分の事業は関係を持つすべてのおかげと感謝し、その利益をシェアする心で事業を営む。そうすれば必ず最高の利益を得られる。つまり顧客の満足度を優先しつつ、事業を通じて他人に奉仕する考えで事業すれば、継続的に発展が考えられると。
「事業者は適正な利潤を追求し、販売者・仕入業者・購入者・すべてが喜び満足するように、商品力・技術力・人間性・事業スキルをつけるべきです。現在でも廃れず生き続ける手法に感動する自分があり、まさに成功経営の教本だと思います」と工藤委員。
卓話では「人を幸せにする経営」と題したビデオが紹介されました。「日本理化学工業株式会社」の大山康弘会長のインタビューで、この会社の従業員は全体の70%以上が知的障がいを持っています。「働く喜びを通して事業が人を幸せにする」という経営理念が具現化された会社です。「人に幸せをかなえられるのは企業だ」という言葉に大いに心動かされました。